あなたは「鉄の処女と夢見がちなお姫様の絵本って結局どうなったの?」と気になっていませんか?実はKADOKAWAから2025年6月に発売予定だったこの絵本は、発売直前に刊行中止が発表されました。この記事では、絵本の詳細から刊行中止の経緯、原曲の魅力、そして元ネタとなった歴史上の人物まで詳しく解説します。ぜひ最後まで読んでください。
Contents
1.「鉄の処女と夢見がちなお姫様」絵本の概要|KADOKAWAから発売予定だった話題作

絵本「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」の基本情報と価格・発売日
「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」は、KADOKAWAから2025年6月18日(水)に発売が予定されていた絵本です。
価格は2,970円(税込)で、B5判変型・全48ページという仕様でした。
YouTubeで1,000万再生を超える大ヒットボカロ曲を原作とした「大人の絵本」として企画され、多くのファンから注目を集めていました。
ボカロ楽曲の世界観をそのまま書籍として体感できるという、これまでにない新しい試みとして話題になった一冊です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 鉄の処女と夢見がちなお姫さま |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 発売予定日 | 2025年6月18日(水) |
| 価格 | 2,970円(税込) |
| 判型・ページ数 | B5判変型・全48ページ |
| 著者 | じょるじん |
| イラスト | あんりふれ |
| ISBN | 978-4-04-897854-5 |
作者じょるじん(暗黒童話P)とイラストレーターあんりふれの制作タッグ
この絵本の文章を手がけたのは、原曲の作詞・作曲者であるボカロP・じょるじんさんです。
じょるじんさんは「暗黒童話P」の名前でも知られ、童話や歴史上の人物をダークな視点で描く楽曲を数多く発表しています。
絵本では楽曲制作者自らが執筆を担当するという、原作ファンにとって非常に贅沢な内容になる予定でした。
一方、イラストを担当したのは気鋭のイラストレーター・あんりふれさんです。
あんりふれさんは、じょるじんさんの「完全犯罪伝授します」シリーズのMVイラストや、アルバム「暗黒童話唄〜三幕〜」のアートワークなどを手がけてきた実力派です。
楽曲のMVやアルバムで培ってきた世界観を、絵本という新しいメディアでどのように表現するのか、大きな期待が寄せられていました。
絵本のあらすじ|エリザベートの壮絶な物語を「大人の絵本」として描く
絵本の舞台は16世紀のルーマニア・チェイテ城です。
主人公は、このお城に嫁いだお姫さま「エリザベート」で、これから始まる素敵な生活に胸を躍らせていました。
しかし、彼女を待っていたのは夫に先立たれ、義母から激しい折檻を受ける壮絶な日々でした。
精神的に追い詰められたエリザの心は徐々に壊れ始め、義母が亡くなった後、ついに「血」に目覚めます。
そして恐ろしい殺戮器具「鉄の処女(アイアン・メイデン)」を完成させるに至る――。
この物語は、吸血鬼伝説のモデルともされる「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリの実話に基づいています。
子ども向けの絵本とは一線を画す、ダークで重厚な「大人の絵本」として企画されていたのが大きな特徴です。
Amazon・カドスト・アニメイトなど各店舗の予約特典まとめ
絵本の発売に先駆けて、複数の店舗で豪華な予約特典が用意されていました。
- Amazon:アナザーストーリーのPDFデータ配信(購入特典)
- カドスト(KADOKAWA直営ストア):限定デザインのステッカー
- アニメイト:店舗限定特典あり
特にAmazonの「アナザーストーリー」は、絵本本編では語られない別視点の物語が読めるという、ファンにはたまらない特典でした。
なお、刊行中止に伴いこれらの特典もすべて提供中止となっています。
2.「鉄の処女と夢見がちなお姫様」絵本が刊行中止に|その理由と予約キャンセルの対応

KADOKAWAが発表した刊行中止のお知らせ内容
2025年6月9日、KADOKAWAは公式サイトにて「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」の刊行中止を正式に発表しました。
発売予定日のわずか9日前というタイミングでの発表は、多くのファンに衝撃を与えました。
お知らせの中で、KADOKAWAライフスタイル編集部は「予約いただいたお客様をはじめ、関係各位に深くお詫び申し上げます」とコメントしています。
すでに各店舗で予約受付が始まっており、特典情報も公開されていたことから、直前での中止は異例の対応だったと言えるでしょう。
「鉄の処女と夢見がちなお姫様」絵本の刊行中止の理由として考えられること
KADOKAWAの公式発表では、刊行中止の理由は「諸般の事情により」とだけ記載されており、具体的な説明はありませんでした。
しかし、SNSやネット上ではさまざまな推測が飛び交っています。
- 実在の人物を題材にしていることへの配慮:エリザベート・バートリは歴史上の実在人物であり、子孫や関係者への影響が懸念された可能性があります
- 内容の過激さ:原曲自体が殺戮や拷問を描いた作品であり、絵本というメディアで表現することへの問題提起があった可能性があります
- 外部からの指摘:発売前に内容について外部から意見があり、出版社として判断を下した可能性も考えられます
いずれもあくまで推測の域を出ないものですが、発売9日前という異例のタイミングでの中止であることから、製作面の問題というよりも、内容や権利に関する何らかの判断があったのではないかと見られています。
予約済みの場合はどうなる?キャンセル・返金対応の流れ
刊行中止に伴い、すでに入っている予約はすべて自動キャンセルとなりました。
KADOKAWAの発表によると、キャンセル対応は予約した店舗によって異なります。
- カドスト(KADOKAWA直営)で予約した場合:後日、返金案内のメールが届くため、自分からキャンセル連絡をする必要はありません
- その他の特典実施店舗で予約した場合:決済が発生していないため、特に手続きは不要です
- Amazonなど一般書店で予約した場合:各店舗の対応に従う形になります
<span style="color:red">Amazonですでに決済済みの場合は、Amazon側から返金対応が行われます。</span>
不安な方は、予約した店舗に直接問い合わせるのが確実です。
ファンの反応とSNSでの声|「読みたかった」という惜しむ声が続出
刊行中止のニュースを受けて、SNS上では多くのファンから悲しみや驚きの声が上がりました。
- 「鉄の処女と夢見がちなお姫様の絵本、めっちゃ楽しみにしてたのに残念」
- 「予約してたのにショックすぎる」
- 「仕方ないことだけど、読みたかった……」
一方で、「実在の人物を扱う作品だから慎重になるのは当然」「刊行中止の判断は仕方がない」という理解を示す声もありました。
楽曲のファンにとっては待望の書籍化だっただけに、その落胆は大きかったと言えます。
今後、形を変えて何らかの展開があるのか、ファンの間では期待と注目が続いている状況です。
3.原曲ボカロ曲「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」の魅力|YouTube1000万再生超の人気の理由

じょるじん(暗黒童話P)とは?代表曲と音楽スタイル
じょるじんさんは、2011年1月に「ハーメルンの悪夢」を投稿してボカロPとしての活動を開始しました。
3作目の「ジキル」を投稿した際に、リスナーから「暗黒童話P」と命名されたのが、このP名の由来です。
本人いわく「童話や昔話のダークサイドが好きすぎてうっかりアップロードした」とのことで、そのユニークな作風は最初期から一貫しています。
代表曲には以下のような作品があります。
- 「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」:YouTube1,000万再生超の最大ヒット曲
- 「ハッピーヒロインスナイパー」:おとぎ話のヒロインをテーマにした人気曲
- 「ネバーランドから帰ったウェンディが気づいたこと」:ピーターパンを題材にしたダーク楽曲
- 「完全犯罪伝授します」:シリーズ化されている人気作
- 「ドラキュラとなった男の物語」:「鉄の処女」と対になるヴラド3世を描いた楽曲
童話・歴史・伝承を独自の解釈でダークに昇華する作風が、幅広いリスナーを魅了し続けています。
「鉄の処女と夢見がちなお姫様」の楽曲の世界観と中毒性の秘密
「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」は、16世紀に実在した「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリの生涯を、鏡音リンのボーカルで描いたボカロ曲です。
この楽曲が多くのリスナーを惹きつける理由は、残酷な物語と中毒性のあるメロディの絶妙なバランスにあります。
歌詞では、15歳でチェイテ城に嫁いだ無垢な少女が、過酷な環境の中で壊れていく過程がドラマチックに描かれています。
エリザベートの悲しみや怒り、そして狂気への転落を追体験するような構成になっており、「怖いのに何度も聴いてしまう」という声がリスナーの間で多く聞かれます。
また、楽曲の中盤で展開される「黒魔術(ブラックマジック)」のパートは、ニコニコ動画では弾幕コメントが飛び交うほどの盛り上がりを見せる名シーンです。
<span style="color:red">恐怖とエンタメが見事に融合した楽曲だからこそ、1,000万再生を超える圧倒的な支持を得ている</span>と言えるでしょう。
うごくメモ帳で制作されたMVの衝撃と話題性
この楽曲のMVが特に注目を集めた理由の一つが、その制作手法の意外性です。
MVのイラスト・動画を担当したのはぽりおさんで、なんとニンテンドー3DSのソフト「うごくメモ帳3D」で制作されたものでした。
うごくメモ帳は本来、簡単なパラパラアニメを作るためのツールです。
しかし、ぽりおさんはそのシンプルなツールを駆使して、原曲の壮大な世界観を見事に表現しました。
限られた機能の中でここまでのクオリティを実現したことは、多くの視聴者に驚きを与え、「うごメモでこのクオリティは信じられない」といった反響が数多く寄せられています。
楽曲そのもののクオリティに加え、こうした制作背景のユニークさもまた、この作品が多くの人に語り継がれている理由の一つです。
4.「鉄の処女と夢見がちなお姫様」の元ネタ|血の伯爵夫人エリザベート・バートリの実話

エリザベート・バートリとは?16世紀ハンガリーに実在した貴族の生涯
「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」の元ネタとなったのは、エリザベート・バートリ(1560年〜1614年)というハンガリー王国の実在の貴族女性です。
ハンガリー語では「バートリ・エルジェーベト」と読みますが、日本ではドイツ語読みの「エリザベート・バートリ」の表記が一般的です。
バートリ家は16〜17世紀のトランシルヴァニアで最も有力な名門貴族で、ポーランド王やトランシルヴァニア公を輩出した格式ある家系でした。
しかしその一方で、血筋を守るための近親婚が繰り返されたことから、一族の中にはエキセントリックな性格の人物も多かったと伝えられています。
エリザベート自身も感情の起伏が激しい性格だったとされ、15歳でナーダシュディ・フェレンツ伯爵と結婚してチェイテ城に嫁ぎました。
チェイテ城で起きた惨劇と「鉄の処女」の伝説
夫の不在中、城を義母に支配されたエリザベートは、厳しい折檻を受ける日々を送ったとされています。
やがて夫が戦死し、義母も亡くなった後、城の実権を握ったエリザベートは若い女性たちへの残虐行為を繰り返すようになりました。
後世に伝わる記録では、殺害された若い女性の数は600人から700人にものぼるとされ、人類史上最大規模の女性連続殺人犯として歴史に名を刻むことになりました。
彼女の名前と切り離せないのが、拷問器具「鉄の処女(アイアン・メイデン)」です。
人型をした鉄の箱の内部に無数の針が仕込まれたこの器具は、エリザベートが開発に関わったとも言われていますが、実際にはその時代の拷問器具として使われていたものをエリザベートが利用した、という説が有力です。
1610年、監禁されていた女性の一人が脱走したことをきっかけに調査が行われ、エリザベートの凶行がついに明るみに出ました。
近年の研究で見直される「血の伯爵夫人」像|冤罪説も浮上
「史上最悪の殺人鬼」として語り継がれてきたエリザベート・バートリですが、近年の歴史研究ではその評価が大きく見直されつつあります。
一部の研究者は、エリザベートが実際には政治的陰謀の犠牲者だった可能性を指摘しています。
バートリ家は莫大な財産と広大な領地を所有しており、ハプスブルク家をはじめとする権力者たちにとって、その財産は魅力的な標的でした。
エリザベートに罪を着せて財産を没収するために、証言が捏造された可能性があるというのが冤罪説の主な主張です。
また、当時の裁判記録を精査すると、証人の証言に矛盾があることや、エリザベート本人が裁判に出廷する機会を与えられなかったことも、この説を裏づける根拠とされています。
<span style="color:red">「残忍な殺人鬼」と「権力に陥れられた犠牲者」という二つの顔を持つエリザベートの真実は、いまだ歴史の闇の中にあります。</span>
こうした多面的な人物像が、楽曲や絵本の題材として人々を惹きつける最大の理由なのかもしれません。
Fateシリーズなど創作作品に与えた影響とポップカルチャーでの受容
エリザベート・バートリの物語は、「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」だけでなく、数多くの創作作品に影響を与えてきました。
特に日本で知名度を上げたきっかけとなったのが、人気ゲーム「Fateシリーズ」です。
「Fate/Grand Order」や「Fate/EXTRA CCC」では「エリザベート・バートリー」としてキャラクター化されており、シリーズファンの間で広く知られる存在になりました。
そのほかにも、エリザベート・バートリを題材にした作品は多岐にわたります。
- 小説:桐生操『血の伯爵夫人 エリザベート・バートリ』(PHP研究所)
- 映画:『バートリ 血の伯爵夫人』(2008年、スロバキア・ハンガリー他合作)
- 映画:ジュリー・デルピー監督・主演の『ザ・カウンテス』
- ゲーム:「Fateシリーズ」各作品
歴史上の人物でありながら、残酷さと悲しさを併せ持つエリザベートの物語は、時代を超えてクリエイターたちのインスピレーションの源であり続けています。
じょるじんさんの楽曲と絵本の企画は、こうした「エリザベート・バートリを現代のポップカルチャーとして再解釈する」流れの最新の一例と言えるでしょう。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- 「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」は、YouTube1,000万再生超のボカロ曲を原作にした大人の絵本だった
- KADOKAWAから2025年6月18日に発売予定で、価格は2,970円(税込)・全48ページの仕様だった
- 著者は原曲の作詞・作曲者であるじょるじん(暗黒童話P)さんが務め、イラストはあんりふれさんが担当
- 2025年6月9日に「諸般の事情」により刊行中止が発表された
- 予約はすべて自動キャンセルとなり、各店舗ごとに返金対応が行われた
- 原曲は鏡音リンのボーカルで「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリの生涯を描いた楽曲
- MVはうごくメモ帳3Dで制作されており、そのクオリティの高さも話題となった
- 元ネタのエリザベート・バートリは16世紀に実在したハンガリーの貴族女性
- 近年の研究では冤罪説も浮上し、一面的な「殺人鬼」の評価が見直されつつある
- Fateシリーズなど多くの創作作品にも影響を与えており、ポップカルチャーの中で語り継がれている
絵本の刊行中止は非常に残念なニュースでしたが、原曲の「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」はYouTubeやニコニコ動画で今でも視聴することができます。
楽曲の世界観に触れたことがない方は、ぜひ一度聴いてみてください。
また、じょるじんさんの他の楽曲や今後の新たな展開にも注目していきましょう。
音楽と物語の力は、きっとこれからも私たちを魅了し続けてくれるはずです。
関連サイト:KADOKAWA公式サイト