あなたは「テスターを使って測定したいけど、間違った使い方をして壊してしまわないか不安…」と思ったことはありませんか?結論、テスターには絶対にやってはいけない危険な使い方があり、それを知らずに使うと機器の故障や感電事故につながります。この記事を読むことでテスターの正しい使い方と避けるべき行為がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.テスターでやってはいけないこと【絶対禁止の危険行為】

電流測定モードで電圧を測定する
テスターで最も危険なのが、電流測定モードにしたまま電圧を測定することです。
これはテスターを壊す最大の原因となる禁止事項です。
電流測定モードで電圧を測定すると、回路を短絡(ショート)させることになり、保護用ヒューズが飛びます。
最悪の場合はテスター本体が故障し、高電圧では感電の危険性もあります。
特に電圧と電流を交互に測定する作業では、測定モードを切り替えたことを忘れてしまいがちです。
測定前には必ず指差し確認や声出し確認を行い、今どのモードで測定しようとしているのかを確認してください。
測定レンジを超える入力をする
各ファンクションで定められた最大定格入力値を超える電圧や電流を入力してはいけません。
測定レンジを超えた入力は、テスターに過大な負荷をかけて故障の原因となります。
特にアナログテスターでは、測定レンジを超えるとメーターの指針が振り切れて、内部の可動コイルが破損する可能性があります。
デジタルテスターの場合は「OL(オーバーロード)」と表示されますが、これも測定限界を超えているサインです。
測定する値が不明な場合は、必ず最大の測定レンジから始めて、徐々に適切なレンジに切り替えるようにしましょう。
また、モーターなど誘起電圧やサージ電圧が発生する機器のラインは、過負荷の恐れがあるため測定を避けてください。
測定中にファンクションやレンジを切り替える
測定中に他のファンクションやレンジへ切り替えることは絶対に避けてください。
測定中の切り替えは、一瞬でも不適切なモードで通電することになり、テスターの故障や事故につながります。
特に電流測定モードへの切り替えは危険で、設定を変更した瞬間に回路の電流がテスターに流れ込み、測定上限を超えている場合は即座に故障します。
測定を行う前に必ずファンクションとレンジを確認し、測定が完了するまでは設定を変更しないでください。
どうしても設定を変更する必要がある場合は、一旦テストリードを測定対象から離してから行いましょう。
極性を逆にして測定する(アナログテスターの場合)
アナログテスターで直流電圧や直流電流を測定する際、プラスとマイナスの極性を逆にしてはいけません。
極性を逆にすると、指針がゼロ位置からさらに左側へ振れようとして、メーターが破損する可能性があります。
アナログテスターは可動コイル型の直流電流計を使用しているため、逆方向の電流が流れると可動範囲を超えてしまいます。
必ず赤いテストリード(プラス側)をプラス極に、黒いテストリード(マイナス側)をマイナス極に接続してください。
デジタルテスターの場合は極性が逆でも「-(マイナス)」マークが表示されるだけで故障しませんが、正しい接続を心がけましょう。
2.テスター使用時の基本的な注意点

測定前に必ずモードとレンジを確認する
測定を開始する前に、必ずファンクション(測定モード)と測定レンジが正しいかを確認することが最も重要です。
テスターは自動で測定対象を判断してくれるわけではなく、使用者が適切に設定する必要があります。
電圧を測りたいのに電流モードになっていたり、交流と直流を間違えていたりすると、正確な測定ができないだけでなく機器の故障につながります。
測定モードの確認は、テスター本体のダイヤルやボタンの位置、表示画面のアイコンを見て行います。
測定前の指差し確認を習慣化することで、うっかりミスによる事故を防ぐことができます。
また、取扱説明書に記載されている測定方法と注意事項を事前に確認しておくことも大切です。
電圧測定と抵抗測定でのタイミングの違い
電圧測定は通電中に行い、抵抗測定は必ず電源を遮断してから行う必要があります。
これは測定の基本ルールであり、間違えると機器の故障や測定ミスの原因となります。
電圧測定では、回路に電気が流れている状態で測定することで、実際の電圧値を確認できます。
一方、抵抗測定では、テスター自身が微弱な電流を流して抵抗値を測定する仕組みのため、外部からの電源があると正確な値が測定できません。
抵抗測定を通電状態で行うと、測定対象の回路を損傷させる危険性があります。
配線を切断する前には必ず電源を遮断し、安全を確認してから抵抗測定を行ってください。
測定対象に合わせた交流・直流の選択
測定対象が交流電源なのか直流電源なのかを正しく判断し、適切なモードを選択する必要があります。
交流(AC)と直流(DC)では電気の流れ方が異なるため、間違ったモードで測定すると正確な値が得られません。
家庭用コンセントやブレーカーは交流100Vまたは200Vで、テスターでは「ACV」や「V〜」のマークで示されます。
乾電池、バッテリー、USB電源、パワーサプライなどは直流電源で、「DCV」や「V⎓」のマークで示されます。
測定対象の仕様を確認し、ACとDCのどちらかを見極めることが正確な測定の第一歩です。
わからない場合は機器の銘板やマニュアルを確認するか、AC表記があれば交流、DC表記があれば直流と判断しましょう。
テスターや手が濡れた状態で使用しない
テスター本体や手が水などで濡れた状態での使用は、感電事故につながる危険があります。
水は電気を通しやすいため、濡れた状態で測定すると意図しない経路で電流が流れる可能性があります。
特に交流33V以上またはDC70V以上の電圧を扱う場合は、触れると感電の恐れがあり人体に危険です。
測定前には手とテスター本体が乾いていることを確認し、濡れている場合は十分に乾燥させてから使用してください。
また、雨天時の屋外作業や湿度の高い環境での測定は避けるべきです。
必要に応じて絶縁保護具(絶縁手袋など)を使用することで、より安全に作業を行えます。
損傷があるテスターは使用を避ける
テスター本体やテストリード(測定用のケーブル)に損傷がある場合は、絶対に使用してはいけません。
外装のひび割れ、テストリードの被覆の破れ、プローブ(先端部分)の変形などは、内部の導体が露出している可能性があります。
損傷した部分から感電したり、正確な測定ができなくなったりするリスクがあります。
使用前には必ずテスター全体を目視で確認し、異常がないかチェックしてください。
特にテストリードは頻繁に曲げ伸ばしされるため、根元部分や中間部分にひび割れが生じやすくなります。
少しでも損傷を発見した場合は、修理または交換を行ってから使用しましょう。
3.測定中にやってはいけないこと

テストリードの差し込み位置を間違える
テスター本体にあるテストリードの差し込み端子は、測定する内容によって使い分ける必要があります。
多くのテスターには複数の端子があり、COM(コモン)端子、V/Ω端子、A(電流測定)端子などが用意されています。
黒いテストリードは常にCOM端子に差し込み、赤いテストリードは測定内容に応じて適切な端子に差し込みます。
電圧測定や抵抗測定の場合はV/Ω端子に、電流測定の場合はA端子に差し込むのが一般的です。
間違った端子に差し込むと、測定できないだけでなくテスターの故障や事故の原因となります。
測定前には取扱説明書で正しい端子の組み合わせを確認し、確実に差し込んでください。
測定中にテストリードを他の端子に差し換える
測定中にテストリードのプラグを他の測定端子へ差し換えることは非常に危険です。
測定中は回路に電流が流れている状態であり、このタイミングで端子を変更すると不適切な経路で電流が流れます。
特に電圧測定中に電流測定用の端子へ差し換えると、瞬時に大電流が流れてヒューズが飛んだりテスターが故障したりします。
端子を変更する必要がある場合は、必ずテストリードを測定対象から完全に離してから行ってください。
その後、新しい端子にしっかりと差し込み、測定モードも確認してから再度測定を開始しましょう。
焦らず慎重に作業を進めることが、安全な測定につながります。
テストプローブのつばより先端側を持つ
測定中はテストプローブ(テストリード先端の金属部分)のつばより先端側を絶対に持ってはいけません。
つばより先端側は金属が露出しており、そこに触れると感電する危険性があります。
特に高電圧を測定する場合は、つばより先端に触れると人体に電流が流れて重大な事故につながります。
テストプローブは必ずつばより手元側のグリップ部分を持つようにしてください。
また、指定タイプのテストプローブを使用することも重要で、純正品や推奨品を使うことで安全性が確保されます。
測定作業に慣れてくると油断しがちですが、常に正しい持ち方を意識して作業しましょう。
高温・高湿度・強い磁気のある環境で測定する
テスターは高温や高湿度、強い磁気がある環境では正確に測定できません。
多くのテスターには使用温湿度範囲が設定されており、一般的には0〜40℃、湿度80%以下が目安となります。
高温環境では内部の電子部品が正常に動作せず、高湿度では結露によって故障する可能性があります。
また、強い磁気を発生する機器(モーター、変圧器など)のそばでは、電気的なノイズの影響で測定値が不安定になります。
測定を行う際は、周囲の環境条件を確認し、適切な場所で行うようにしてください。
やむを得ず厳しい環境で測定する必要がある場合は、環境条件に対応した産業用テスターの使用を検討しましょう。
4.初心者が失敗しやすいテスターの使い方

抵抗測定を通電状態で行う
初心者が最も陥りやすいミスが、電源を遮断せずに抵抗測定を行ってしまうことです。
抵抗測定では、テスター自身が微弱な電流を流して抵抗値を測定する仕組みになっています。
そのため、測定対象の回路に外部からの電源が供給されていると、正確な抵抗値が測定できません。
さらに深刻なのは、通電状態での抵抗測定が測定対象の回路や部品を損傷させる可能性があることです。
抵抗測定や導通確認を行う場合は、必ず電源を遮断し、ブレーカーを切るなどして完全に電気が流れていない状態にしてください。
配線を切断する前にも必ず電源遮断を確認し、安全第一で作業を進めましょう。
測定値が不明なのに最小レンジから始める
測定する電圧や電流の値がわからない場合に、最小レンジから測定を始めるのは危険です。
最小レンジで測定範囲を大きく超える値を測定すると、アナログテスターではメーターが振り切れて破損します。
デジタルテスターでも「OL(オーバーロード)」表示となり、最悪の場合は内部回路にダメージを与えます。
正しい測定手順は、必ず最大の測定レンジから始めて、徐々に適切なレンジに切り替えていくことです。
例えば、不明な電圧を測定する場合は、まず最大レンジ(500Vや1000Vなど)に設定して測定し、測定値を確認してから適切なレンジに移動します。
オートレンジ機能を搭載したデジタルテスターなら、自動で適切なレンジに切り替えてくれるため、初心者にはおすすめです。
テスト棒の接続順序を間違える
テストリードを接続・取り外しする際の順序を間違えると、感電や短絡のリスクが高まります。
正しい接続手順は、最初に接地側(黒いテストリード)を接続し、その後で通電側(赤いテストリード)を接続することです。
取り外すときは接続と逆の手順で、最初に通電側(赤)を離してから、接地側(黒)を離します。
この手順を守ることで、万が一テストリードが他の導体に触れた場合でも、感電や短絡のリスクを最小限に抑えられます。
特に高電圧を測定する際は、この接続順序が安全対策として非常に重要です。
作業に慣れてくると順序を守らなくなりがちですが、事故防止のために常に正しい手順を守りましょう。
電流測定モードにしたことを忘れる
電流測定を行った後、測定モードを切り替えずに電圧測定をしてしまう失敗が非常に多いです。
電流測定モードのまま電圧を測定すると、回路をショートさせることになり、テスターの故障や感電事故につながります。
この失敗は、作業に夢中になっているときや、複数の測定を連続して行うときに起こりやすくなります。
防止策としては、電流測定を終えたら必ず電圧測定モードに戻す習慣をつけることが効果的です。
また、測定を開始する前に毎回「今から何を測定するのか」「測定モードは正しいか」を声に出して確認することもおすすめです。
電流測定を頻繁に使わない場合は、使用後すぐに電圧測定モードに戻しておくことで、次回の測定時の間違いを防げます。
まとめ
テスターを安全に使用するために知っておくべきポイントをまとめます。
- 電流測定モードで電圧を測定することは絶対に避け、測定前には必ずモードを確認する
- 測定レンジは必ず最大から始めて徐々に適切なレンジに切り替える
- 測定中のファンクションやレンジの切り替え、端子の差し替えは厳禁
- アナログテスターでは極性を逆にしないよう赤(プラス)と黒(マイナス)を正しく接続する
- 電圧測定は通電中に行い、抵抗測定は必ず電源を遮断してから行う
- 測定対象に合わせて交流(AC)と直流(DC)を正しく選択する
- テスターや手が濡れた状態、損傷がある場合は使用しない
- テストプローブはつばより手元側を持ち、接続順序は接地側(黒)→通電側(赤)の順で行う
- 高温・高湿度・強い磁気のある環境での測定は避ける
- オートレンジ機能付きのデジタルテスターは初心者におすすめ
テスターは正しく使えば非常に便利な測定器具ですが、使い方を間違えると危険な事故につながります。この記事で紹介した注意点を守り、安全第一で測定作業を行ってください。取扱説明書の「安全使用のための警告文」にも必ず目を通し、不明な点があれば専門家に相談しましょう。正しい知識を身につけて、安全で正確な測定を心がけてください。
関連サイト
一般社団法人日本電気計測器工業会



































